ビリヤードの共通ファウル

ビリヤードの共通ファウル

的球をポケットする楽しさを手軽に味わえるビギナー向けのゲーム、「カットボール」を楽しんだハルヒくん・ユイちゃん・ヒカルくんの3人。ゲームはとても盛り上がったのですが、プレー中に「これってファウル? セーフ?」という状況に遭遇しました。ビリヤード場からの帰り道、ニューアートの店員さんに聞いてみました。

こんにちは!今日はカットボールをしてきました。面白かったです。

こんにちは。それはよかった。誰が勝ったの?

僕でーす!

ちょっと! 最後のゲームは疑惑の判定があったじゃない。あれはファウルだったはず。あれがなければ私が勝ってたと思う。

なになに、疑惑の判定って?

ヒカルくんが狙ってた的球が薄い、って言うんですか? ボールの端っこに当ててポケットに向かわせるやつで。

ああ、薄い球。「カットショット」だね。

手球が的球に当たらずにすぐ横を素通りして、クッションに跳ね返ってから当たったんです。結果的にその的球はどのポケットにも入らなくて。

狙っている的球に直接手球が当たらないのはファウルじゃないの?

すぐクッションで跳ね返って来て当たったんだからセーフだろう?

……って感じでゲームが中断しちゃったんですよね。結局セーフということにしてそのまま進めたんですけど。

あぁ、そういうことか。クッションで跳ね返って来た手球が的球に当たった後、その的球か手球はどこかのクッションに当たったか覚えてる?

いや、覚えてないです……

手球が先にクッションに入ったかどうかは関係なく、手球と的球が接触した後、的球か手球のどちらかがクッションに当たっていたらセーフだよ。あるいは的球がポケットに入ってもセーフ。でも、もしどちらかの球がクッションに当たっていなかったらファウルだ。それが「ノークッションファウル」で、ポケットビリヤードの全ての種目で共通のルール。ビギナーだけで遊ぶ時には大目に見ることもある。というか、知らないビギナーが多いね。

知らなかった……

例えばの話、手球をすごーく弱く撞いて、的球にちょんと当てるっていうのはファウルなんですか?

その的球がポケットに入るかクッションに当たるか、手球がクッションに入るか。いずれかを満たさないとファウルだよ。

そう言われると、オレのあのショット、ファウルだったかもしれないな……。

これでもう覚えたでしょう。次回からは手球と的球が当たった後の動きをよく見るようにね。ついでに、ビギナーのうちから知っておいた方がいいポケットビリヤード共通のファウルをいくつか教えておくね。クイズ形式で行こうか。

ぜひお願いします。

第1問。狙っている的球が他の的球に隠れていて、手球を先にクッションに当ててから狙いたいとします。

跳ね返りショットですね。

「空クッション」って言うんでしたっけ?

そう、よく知ってるね。空クッションで狙う時、クッションのどのあたりに手球を当てるか、キューをクッションに向けたり、かざしたりして手球の動くラインを確認するのはセーフ or ファウル?

そのぐらい大丈夫じゃないんですか?

そう、これはセーフ。では、「ここを狙おう」という目印でクッションにチョークを置くのは?

それも大丈夫そうな気もするけど……

これはファウルなんだ。空クッションを撞く時に限らず、テーブルのクッションやクッションレールに何らかの目印を置いて狙うことは禁じられている。だから、キューを使って「この辺かな」とイメージするのはいいけど、実際に撞く時はクッション(レール)に何も目印があってはいけない。

へえ~。

第2問。第1問と同じく的球に直接手球を当てられない状況で、「ジャンプショット」という手球を飛ばして狙うやり方があるのは知ってるかい?

テレビでビリヤードの天才ジュニア選手の特集をやってて、ジャンプショットをしてました。

ああ、ジャンプショットはテレビ映えするから結構見ることがあると思う。で、ジャンプショットをする時に、わざとキュー先を手球の下にもぐりこませて、すくい上げるように飛ばす方法があるんだけど、これはどう思う?

えー、わからない。手球がちゃんと飛んでるならセーフじゃないの?

テレビではそんな撞き方はしてなかったなぁ……。

正解はファウル。正しいジャンプショットはキューに傾斜を付けて構えて、斜め上から手球を叩きつけるように撞いて飛ばしている。でも、今言った「すくい上げジャンプ」は手球を撞くのではなく、故意にキューの側面に「乗せて」いるからアウト。ただし、例外がある。故意ではなくて、例えば引き球を撞こうとして撞点が低すぎてやむを得ず「ミスキュー」をして手球が飛んでしまった場合は、その手球がちゃんと的球に当たり、クッションに入っていれば(ノークッションファウルでなければ)、ファウルにはならないよ。

そうなんだ~。

では最後、3問目。手球がテーブル上の遠い所にあって、テーブルに乗りかかるようにして構えているとします。それで、撞く瞬間に両足が床から離れちゃった。これは?

さっき僕らがビリヤードをしてた時、別のテーブルのビギナーっぽいグループがそうやって撞いてました。

えっ、見てなかった。

ビリヤードは紳士淑女のスポーツって言うし、完全にテーブルに乗って撞いたらみっともないからファウルなんじゃない?

正解! これはファウル。みっともないという理由なのかは僕にもわからないけど、ショットをする瞬間、どちらか一方の足が床に付いていなければファウルになる。さっきのすくい上げジャンプと同じく、ビギナーがやってしまいがちなことだね。その他にもビリヤードのファウルは色々とあるけど、一般常識的にファウルじゃないかと思えるものは疑ってかかっていいね。

それって例えば?

バーンと強く撞いたら手球がテーブルの外に飛び出してしまった。これはもちろんファウル。「手球場外」と言ったりする。そして、撞く時に手球に手や髪の毛、服が触れてしまった。これも「球触り」と言うファウルだ。あとは「二度撞き」という、ビギナーにはちょっとわかりづらいファウルがあるから、それは別の機会に改めて教えよう。……とりあえず、このあたりがポケットビリヤードの共通のファウルだね。

なんだかすでに頭がいっぱいだよ……。

大丈夫。ゲームをしながら自然と覚えられるよ!

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