4th Part

ビリヤードのゲーム

01ポケットビリヤード(プール)

日本で最もよく知られ普及しているのが、手球を撞いて的球をポケットに落とすことでゲームを進めるポケットビリヤードです。ナインボールやエイトボールの他にも、使うボールの数や勝敗を決めるルールなどの違いによって、様々な種類のゲームがあります。

ナインボール
9-Ball

ブレイクショットでポケットしても、ゲームの途中で偶然ポケットされても、とにか”9ボール”をポケットした方が勝ちという単純明快さと運の要素も盛り込まれたゲーム性が特徴です。ナインボールは世界中のトーナメントの場でも競技種目となってます。

Step1 ゲームの準備

“1~9ボール”までの的球9個と手球を使い、ラックの先頭に”1ボール”、3列目の中央に”9ボール”を配置します。その他のボールは任意の位置にセットします。

Step2 ゲームのポイント!

プレーの権利を持っているプレイヤーは、ショットの際、最初に必ずテーブル上に残っている最小番号の的球に手球を当てなければなりません。”1~8ボール”までを全てポケットし終えた後に”8ボール”を入れても、ゲームの途中で最初に最小番号の的球に当てた後に⑨を入れても勝ちとなります。

テンボール
10-Ball

使用する的球が1個増えて、ラックの形状が菱形から三角形に変わっただけで、相手より先に⑩ボールをポケットすれば勝ちとなる基本ルールはナインボールと同じです。的球の数が増えたことによってナインボールより難易度はアップしています。現在国内・海外に関わらず、テンボールを種目としたトーナメントの数が多くなってきています。

ネオナインボール
NEO 9-Ball

ネオナインボールは、ナインボールの形をとりながら、難しいルール上の制約をそぎ落として、今日ビリヤードを初めてプレーしたという人でも、最大限にプレーを楽しめるように日本で作られたゲームです。プレー中は⑨ボール以外のどの的球からポケットしてもOK。①~⑧ボールまでを全てポケットし終えた後に⑨ボールを入れても、ゲームの途中で最初に他の的球に当てた後に⑨を入れても勝ちとなります。

エイトボール
8-Ball

①~⑦番までのローボール(ソリッド)、⑨~⑮番までのハイボール(ストライプ)のどちらかを自分のグループボールとして、そのボールをポケットしていくことでゲームを進めます。グループボールであれば、番号に関係なくどの的球からポケットしてもOKなので、狙いやすい的球からポケットしていくことができます。エイトボールは、初心者から上級者までが楽しめる、世界中で親しまれている最もポピュラーなビリヤードゲームです。

Step1 ゲームの準備

①~⑮ボールまでの的球15個と手球を使い、ラックの3列目の中央に⑧ボール、5列目の両端にローボールとハイボールを配置します。その他のボールは任意の位置にセットします。

Step2 ゲームのポイント!

自分がシュートする的球と、入れるポケットを指定する「コールショット」ルールでゲームを進めます。自分のグループボール決定後は、プレーの権利を持っているプレイヤーは、ショットの際、最初に必ず自分のグループボールに手球を当てなければなりません。自分のグループボールを全てポケットし終えた後に、⑧番ボールをポケットすれば勝ちとなります。

02その他のゲーム

ポケットビリヤードにはその他にも様々なゲームがあります。ここではその中から日本でもビリヤードトーナメントの正式種目やプロテストの実技種目に採用されているゲームを簡単に紹介します。

ローテーション
Rotation

最初に必ずテーブル上に残っている最小番号の的球に手球を当てなければならない点はナインボールやテンボールと同じ。ただし⑮ボールを入れれば勝ちという訳ではなく、ボールの番号がそのままポイントになる点数制のゲームです。日本ではアマチュア全国大会の正式種目にもなっています。

14-1
Fourteen One/Straight Pool

ボール番号も、ハイボール、ローボールも関係なくどの的球から狙っても良く、シュートを成功させている間はずっと撞き続ける事ができるというシンプルなゲームです。海外では、ビリヤードの入門ゲームとしても、ハイレベルなトーナメントゲームとしても親しまれています。

ボウラード
Bowlliards

10個の的球を使い、ボウリングと同じ要領でゲームを進める一人での練習にも最適なゲームです。どの的球からポケットしてもよく、ブレイクショットの後にミスなく全てポケットできたらストライク、2度目のミスをするまでに全てポケットできたらスペアで満点は300点。現在JPBA(日本ポケットビリヤード連盟)のプロテストの実技試験の種目にもなっています。

ポケットビリヤード共通のファウル

スクラッチ

ショットした手球が、直接または何らかの的球に当たった後にポケットに落ちてしまうファウル。ゲームの種類によって、その後の処理は変わってきます。

球触り

ショットの際に手球に触れて良いのはキュー先に付いているタップだけです。それ以外の部分が触れるとファウルになります。また的球に触れた場合もファウルとなります。

球場外

ショットされた手球がテーブル外に飛び出した場合、ショットによって的球がテーブル外に飛び出した場合にファウルとなります。

2度撞き

ワンショットの間にタップが手球に触れて良いのは一度だけです。一旦ショットされた手球を2度以上撞くとファウルになります。

両足が床から離れる

ショットの瞬間は、必ずどちらか片方の足が、つま先だけでも地面に触れていなければなりません。例えばテーブルの上に腰掛け、両足が宙に浮いた状態でショットするとファウルとなります。

目印を付ける

ショットをする時に、自分が狙いたい場所を特定するために、何らかの目印を置くとファウルとなります。

03キャロム

日本のビリヤードの歴史において、ポケットビリヤードよりも先に普及したのが、ポケットのないテーブルを使い、手球を複数の的球に当てることで得点となるキャロム。ヨーロッパや韓国など、キャロムが盛んな国は多く、日本でも四ッ球が盛んに行われていた時代を経て、現在では主にスリークッション、ワンクッション(バンドゲーム)などがプレーされています。

スリークッション
3- Cushion

使用するボールは白、黄、赤の3つで、手球を撞いて2つの的球に手球を当てます。その際、2つめの的球に当たる前までに、必ず手球が3回以上クッションに入らなければなりません。ショットに成功すれば1点となります。キャロムのメインゲームとして、世界中で広くプレーされています。

ワンクッション(バンドゲーム)
1-Cushion (band game)

スリークッションと同じく、使用するボールは白、黄、赤の3つで、手球を撞いて2つの的球に手球を当てます。その際、2つめの的球に当たる前までに、必ず手球が1回以上クッションに入らなければなりません。ショットに成功すれば1点となります。アジア圏で行われる国際競技大会の正式種目にもなっています

04スヌーカー

ポケットビリヤードのテーブルの1.5倍のプレーエリアで、ポケットビリヤードよりも一回り小さい手球1個と21個の的球を使ってプレーされるスヌーカー。日本では現在、プレーする場所がまだまだ少ないのが現状ですが、本場であるイギリスではプロスポーツとしても人気が高く、アジア圏でもビリヤードと言えばスヌーカーという国も多く、世界的には最もプレー人口の多いビリヤード競技とも言われています。また、スヌーカーはプレーするだけでなく、観戦スポーツとしても世界中に多くのファンを持っています。

スヌーカー
Snooker

手球1個と21個の的球を使います。的球の内15個がレッドボール(1点)、残りの6個がイエロー(2点)、グリーン(3点)、ブラウン(4点)、ブルー(5点)、ピンク(6点)、ブラック(7点)のカラーボールで、的球をポット(ポケット)することで得点となり、点数で勝敗を決めます。近年では、このルールを簡略化してレッドボールを6個に減らした「6レッドスヌーカー」も行われています。