キューの構造と各部位の名称

キューはプレイヤーの個性が光るもっとも重要なアイテム

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ビリヤードに必要な3大アイテムは「テーブル」「ボール」そしてキューです。
キューは、プレイヤーにとって最も重要とも言えるアイテムといえます。
一方で必ず使用する道具のために、逆に言えば“どこにでもある”道具でもあります。そのために細かい部分のことは以外と知らないもの。
このページではキューのことを知り、よりビリヤードを楽しむための基本を紹介します。
キューの「構造や仕様」、そしてその「材質・製法」など特徴を知りポイントを押さえていきましょう。

ポケットキューの構造

現在ほとんどのキューが「2ピースキュー」と言われる構造です。これは文字通り、2つに分かれている部分をねじやその他の方法で繋ぎ1つのキューにして使用します。
2ピースキューは分解できるので、持ち運びが便利です。また修理のための部品交換やメンテナンスも容易です。
分解した状態では、「シャフト」と呼ばれる部品と、「バット」と呼ばれる部品になります。
これらの部品のほとんどは木材で作られます。一部の場所には金属や革、樹脂や繊維などもカスタマイズ要素としていくつか使われます。
構造としてみると、2ピースキューは多くのメーカーで共通ですが、製品により細部のつくりや材質の違いから、感触や力強さ、見越しなどの特性などが異なってきます。

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標準的なサイズがある

特性に千差万別があるキューですが、現在普及しているキューの仕様は構造と同じくかなり均一化しています。

長さ

キュー全体の長さは58インチ(147センチ)位がもっとも一般的です。これを基準として、使う人の好みによって微調整をします。
長さ以外のサイズでは、多くがテーパーと呼ばれるキュー先からキュー尻へ徐々に太くなっている形になっています。ポケットキューだと先の太さは約13ミリ、尻の部分では30ミリ前後です。

重さ

重さは19オンス(約538グラム)程です。これを基準として、軽いモノは18オンス程、重いモノでは20オンス程の範囲で作られますが好みによる部分が大きいので、この範囲外で作られるものもあります。

材質としての「木」の個性

キューの大部分の材質が「木材」ですが、その種類は20種類以上あります。
一般的には「堅い」「膨張や収縮しにくい」「経年変化しにくい」などの特性が重要視されます。
これはプレーに直接的な影響がある「狂い」と呼ばれる“曲がり”などを少なくするためです。
同じ材質、構造、製法でも自然素材である木材なので、産地や加工した時期、樹木のどの部分を木材としたかなどの各種条件によって微妙に性質が異なってきます。
同じメーカー、同じ型番であってもまったく同じ特性のキューにはなりません。キューの数だけ個性があるといっても過言ではありません。こうした面もキューという道具のおもしろみの一つです。

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製法の違いも重要なスペックの一つ

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キューの特性をきめる要素でもっとも大きなものの一つに「バットの製法」があります。(バットは手に持つ側の部分)
パット製造には大きく分けて2種類あります。1つは木材をそのまま削りだして作る方法。もう一つは何種類かの木材を割いたり掘ったりして組み合わせていく方法です。
どちらも木材の加工の仕方、組み合わせ方などは多く、こうした違いによってデザインや性能が異なってきます。

各部位の名称

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名称説明

タップ

先角に接着する、ボールが触れる部分です。革製品が主流で近年では豚革の積層の物がポピュラーになっているが、牛革やファイバー製、樹脂製など用途によって使い分ける場合もあります。革の柔らかさなどの違いによってボールに与える回転や動きの影響が変化する、プレーヤーにとっても最も気を使う部分でもあります。

フェーラル(先角)

タップとシャフトの間に入るシャフトを守る部品です。ショットの衝撃に耐える強度が必要なパーツですが、ボールの軌道変化に影響が少ない物を、各メーカー試行をこらし素材、長さ、構造など様々な物が開発されております。

パイプスクリュー

バットとシャフトを繋ぐ際、シャフト側のメスネジにあたる部分。素材が金属の物や、ホゾが形成されジョイント内で密着性が高い物など様々な種類があります。

シャフトリング

主にバット側のジョイント付近のリングデザインと合せる事が多い、シャフト側のデザインリングです。そのシャフトがバットと対である目印にもなります。

ジョイントキャップ

バットとシャフトを保管する時など、ジョイントピンを保護するための、同スクリューのキャップです。プラスチック製品が主流ですが、デザインに合わせた銘木の物や金属の物などもあります。

ジョイントスクリュー

バットとシャフトを繋ぐ際、バット側のオスネジにあたる部分です。種類は各メーカー様々ですが、このジョイントスクリュー(ピン)の形状や長さなどがバットとシャフトの一体感に大きく影響を与えます。

ジョイントカラー

バットをシャフトを繋いだ際、調度、キューの中心にあたる部分。昔はステンレス素材の物が主流でしたが、近年では樹脂製の物が増えて参りました。このジョイントカラーの素材ひとつでも、キュー全体のバランスやボールに与える影響は少なくありません。

フォアアーム

ジョイントの下からグリップ上部の部分です。キューのデザイン性が大きく分かれる場所です。シンプルな物だと素材そのままの物や、ハギやインレイなどの模様、デザインなどが施された物もあります。近年ではこの部分にもハイテク構造が用いられより強く、ボールの軌道変化の少ない物なども開発されております。

グリップ

実際にキューを持つ際に手で握る部分。一般的にはアイリッシュリネンの糸巻きの物が主流ですが、革を巻いたり、ゴムグリップを巻いたりユーザーのカスタマイズが可能な部分でもあります。更に、木材そのままのウッドグリップの物などもあります。

バットスリーブ

グリップの下からバットキャップまでの部分です。キューのデザイン性が大きく分かれる場所です。シンプルな物だと素材そのままの物や、ハギやインレイなどの模様、デザインなどが施された物もあります。

バットキャップ

バットスリーブの下にあたる部分です。全体的なデザイン的にもアクセントになる部分なので素材や長さも様々です。主に樹脂性の物が多く、バンパーゴムを装着出来る用に加工されております。

バンパー(尻ゴム)

キューの一番下にあたる部分です。キューを床に立てる際にバットキャップやキューを守る部分です。また後ろに振りかぶった際など、障害物からもキューを守ります。クッション性の高いゴム製の物が主流となっております。