ダイヤモンド 『PRO-AM』ができるまで。台の拘りと特徴

ダイヤモンド 『PRO-AM』ができるまで。台の拘りと特徴

ダービーシティクラシックの会場からもほど近い、インディアナ州・ジェファーソンビル。
ここに、アメリカ国内のみならず、世界中でトーナメントテーブルとして使用され、ますます注目が高まっている 「Diamond Billiard Products, INC.」 (ダイヤモンド社) の本社工場があります。

ダイヤモンド社は1987年にケンタッキー州ルイビルのプールプレイヤーの数人が、国内及び世界のトーナメントでプレーの標準となる、高品質とクラフトマンシップにおいて他を圧倒するテーブルを作るというアイディアを元に小さな会社として設立されました。

ダイヤモンドテーブルは誕生以来、 100を超えるメジャートーナメントで使用され、テーブルには多くの変更と改良が加えられてきました。ダイヤモンドは、単なるメーカーではなく、プレイヤーによってプレイヤーのために設計され、さらに他のテーブルにはないデザイン性と構造を備えており、トーナメント、商業ブールルーム、家庭用テーブルとして業界のスタンダードとなっています。

今回は初めてその現場を訪問し、ダイヤモンドテーブルの特徴やこだわりを、ダイヤモンド社のであるヒース・マニング氏に取材を行いました。

テーブルの特徴と拘り

ダイヤモンド社の主力商品

―― ダイヤモンド社は、現在何種類のテーブルを製作しているのですか?

ヒース・マニング(以下、M):ダイヤモンドの主力商品は『PRO-AM』『プロフェッショナル』『スマートテーブル(コインテーブル)』、『パラゴン』と言われる個人宅向けのテーブルです。
PRO-AMには、通常の木製の他に、『ダービーシティクラシック』でも使われているPRC使用のテーブルがあります。PRCというのはフェノリック樹脂コンポジットで非常に硬いのが特徴です。

素材 PRC

―― テーブルのどの部分が使われているのですか?

M:PRCはレールの上部と横のスカートと呼ばれる部分に使用されています。このモデルはビリヤード場やトーナメントなどに最適です。レールの上にボールが落ちても、ショットする時にベルトの金属バックルなどでレールや横のスカート部分を擦ったとしても傷が付きません。お客さんがテーブルを傷つけないかとヒヤヒヤしながら見守る必要はないのです。2014年から販売しています。

―― このメイプルが特徴的なテーブルは ?

M:これがプロフェッショナルです。メイプルの他にオーク材の選択もできますし、 テーブルの角の部分は、丸みを帯びた形か、45度にカットされた形から、足の形も何種類から選択できます。さらにこのテーブルに PRCのレールを付けることもできますが、色はエスプレッソか黒のみになります。その他に椅子、キューラック、ライト全てをテーブルにマッチするように同じ色でコーディネートすることも可能です。

―― ポケットの大きさは変えられるんですか?

M:はい、 ポケットサイズも選択可能です。カジュアルなプレイヤー、老人ホームやコミュニティセンターに置くような場合は、4.75インチ(12,065センチ)、 ビリヤード場で、トーナメントやリーグプレーをしているなら4.5インチ (11.43センチ)、さらにプロカットと言われるものがあり、4.25インチ (10,795 センチ)と4.125インチ (10.4775 セン チ)になります。

―― ダービーシティに設置してあるテーブルのポケットサイズは?

M:全てポケットサイズ 4.25インチのスマートテーブルです。 ただし、10フィートテーブルは4.125インチ、まさにプロ仕様です。

―― 10フィートでそのポケットサイズだと本当に難しいですね。

M:そう言えば、ポケットの開口部の大きさを測る方法をご存知ですか? 多くの人はこんな風にボールを2つテーブルに置いて見てますね。でもそれは正しくありません。 このテーブルのポケットサイズは4.5インチ、ボールは1つ2.25インチ。 ボールを少し持ち上げて一番幅の広い部分をクッションの入り口に当てて見ると、ぴったりでしょう?

―― スレートはどこの物を使用されているのでしょうか? 国により品質の違いはありますか?

M:以前はイタリアのものとブラジルのものを使用していましたが、現在はブラジルのものを使用しています。品質に差はありませんね。ちなみにダイヤモンドテーブルでは全て1インチの厚みです。 9フィートテーブルでは1枚もののスレートか、3枚かを選べます。 テーブル重量は約544キロになります。

―― 他にテーブルの特徴などはありますか?

M:ダイヤモンドテーブルの最大の特徴は「スレートレベリングシステム」です。 他社のテーブルでは真似できません。 くさびに付いているこのネジを回すことにより微妙な高さの調整が可能です。 9フィートテーブルで22ヵ所のくさびがあります。他社のテーブルで木のくさびを入れたり、トランプのカードをはさんだりして調整するのを見たことがあると思います。そんなやり方では経年変化や、テーブルへの直接の衝撃、ボールの衝撃、音楽の振動、ブレイクショットの圧力などでズレてしまう可能性があります。 ダイヤモンドのくさびは、ネジで固定されているために衝撃でズレることはありません。 スレートのサポートがダイヤモンドテーブルのようにしっかりしていない場合、経年変化によって沈んでしまうこことさえあります。

―― 凄いシステムですね!

M:レベリングシムは中央にも備えられていて完璧な水平の面を出すことができます。3ピースのスレートの場合も全てを完璧に調整することができるため、自身を持って最高のプレーアビリティを提供することができるのです。これらは出荷前に行われる工程なので、テーブルを受け取ったら足を取り付け、簡単な調整だけですぐに使用可能です。 これが様々なトーナメントで使われている理由の1つでもあります。

―― 今日はダイヤモンドならではのこだわりが見られて良かったです。

M:まず、レベリングシステムは本当に 一番の特徴と言って良いでしょう。 本当に簡単に調整できます。ほとんどの人が一枚物のスレートなら水平を保っていると思っているようですが、どんなスレートでも正しく保持されていないとたわんでしまいます。スレートにストレスを与えてしまうと割れることさえあります。天然素材ですからね。だからこそレベリングシステムは重要なのです。製品の耐久性やプレーアビリティにも大きく影響します。スレートの高さを厳密に調整し、ボールが正しい高さでレールに当たらなければいけません。どんな小さな差でもプレーアビリティに影響してしまうのです。プレイヤーが望むのは最高のプレーアビリティです。それを実現しているのがダイヤモンドのテーブルです。長い年月をかけ、沢山の失敗と成功を重ねてきました。今後も製品の改善は止まることはないでしょう。

―― そして、こだわりはまだあるんですね?

M:テーブルを下から覗いてみてください。この黒いフレームはティンバーウッドで作られています。ティンバーウッドは鉄よりも強いのです。スレートの重量を支えるためにはこの非常に高価なティンパーウッドを使うことが重要です。それにより高いプレーアビリティを実現しています。他社のテーブルではラシャはステープルで固定されていますが、伸びてしまう場合があります。ダイヤモンドテーブルではラジャを専用の接着剤で固定しています。固定されたラシャが剥がれることもズレることもありません。ラシャが緩くなる原因は湿度が高くなった時だけです。もう1つの特徴にポールリターンの中央部分はラバーで覆われているため、ボールにも優しくボールリターンの消音化にも繋がっています。

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